2011年2月13日日曜日

紅茶に淹れる思い 1 「私に出来る事」

これは小さな町の小さな住人の物語
石泉アカリ (女の子17歳)と ルナ (猫 年齢不詳)

この町はレンガ作りの家にブロック舗装の道
北と東には山 南と西には海に囲まれた町

船の汽笛「ボーボーボー」。スズメ「チュンチュン」
今日は土曜日毎週の航海訓練の始める合図。
私は海の見える喫茶店の2階テラスで
自分の調合した紅茶を飲みながら。
春の桜と海の香りを肌に受けながら
今日一日の始まりを感じている。

本当は紅茶を飲む時は香りも楽しむ物だけど
毎週土曜日だけは、ここで飲むのが日課になっていた。

アカリ「いい天気になりそうだね、今日はどんな紅茶が作れるだろー」
アカリ「ルナも手伝ってね。思いを持ったお客さん連れてきてね」
ルナ「そういわれてもねー。簡単な事ではないんだけどなー。」
ルナ「それはそうと私に飲み物は?」
アカリ「え!?そこに・・ミルクがあるじゃない」
ルナ「毎回言うけど私は普通の猫じゃないのよ?」
アカリ「似たようなもんでしょ。それにあなたには特性の紅茶じゃないと文句言うくせに」
アカリ「毎週一回の私の楽しみアカリブレンドあげたら。
     文句ばっかりいってるからよ。それで十分でしょ」
今日作ったので485号ノートもずいぶん増えた。
ルナ「このあいだのはもうないの?あれはとっても心に沁(し)みわたったわー」
アカリ「あー確かにすごかったわねー。なかなか出会えない思いだったわー」
ルナ「でしょ。宝石の色も薄黄色に」
柱時計の音「ボーン×7」
アカリ「あ!もうこんな時間、お店のしたく始めなくちゃ。店長に怒られちゃう」
紅茶の残りを一気に飲み干し
アカリ「ルナあれは思いが長くあっためられていて濃厚だったのよ。でも
    その分紅茶に淹れられる思いを摂(と)るのに時間がかかって少ししか取れなかったの」
アカリ「あなただってもうわかってるでしょ?こっちの作業もとっても精密で時間がかかるの」
アカリ「それに、思いはいつまでも留めておくことは出来ない・・・・。」
水平線を眺めながら、その思の行く末に思い馳(は)せる
ルナ「そだね。」とりあえずミルクを飲みながら答える
アカリ「さー今日もたくさんの人に、おいしい紅茶と、ひと時の安らぎを贈りましょう」
ルナ「じゃー私も町に行ってくるね。ご馳走さま。」
アカリ「車には気をつけてね。それと思いを秘めた人を導いてきて。」
ルナ「たくさんの思いに出会える用に。その腕輪の宝石に思い込めてね♪」
アカリ「私の思いは込められないって自分で言ったでしょ?」
ルナ「気分♪気分♪」今日のミルクが気に入ったのか上機嫌である。
アカリ「それに一日一人でしょ?」朝取れたてのミルクがきにいったのかな?
ルナ「私たちの力が必要な人は、その中の一握りだからいいの。いってきます」
アカリ「いってらっしゃい。」テラスから屋根にのぼってすぐに見えなくなってしまった。
アカリ「あれなら車関係ないか。さー私も仕事しよー。」紅茶を片付けながら
腕輪の宝石に目をむけ(今日はどんな思いにであえるかなー)ドキドキ

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